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理事長より

私の大学観

小泉理事長写真今、大学の役割とは何かということを改めて問わなければならない時代になっています。現代社会において、大学とは入学した学生が学問をするところであるというような当然の話が通じなくなっているのです。高校生にとって、大学に入学すること自体が、終局的な目的となっています。大学はよほどの人でない限り卒業は出来るから、楽しく2年間ないし4年間を過ごそうと考え、アルバイトをするのも、生活費や授業料のためではなく、遊ぶための資金を得るためになっています。ですから、休講も大歓迎で、出欠をうるさく言う教師や、採点が厳しい教師は嫌われます。

ハーバード大学のロースクールの学生は、世界でもっとも勉強をする学生である、といってもいいと思います。ロースクールの学生は、一度大学を卒業した後、アルバイトをしなくても学業に専念できるように、その間の学費を貯めてから入学します。なかには結婚し、奥さんが働いて、夫の学業を支えている人も多く見られます。彼らにとっては、一時間たりとも学業を疎かには出来ないのです。休講すれば当然、教師に補講をしてくれと求めます。教師の遅刻などもってのほかです。彼らは、1時間あたりの授業の対価は非常に高いという意識を強く持っているのです。家族を含め、彼らの人生すべてが勉強にかかっているからです。夜の12時前に図書館の明かりが消えることはありません。講義で出される課題は多く、アルバイトの時間はありません。勿論クラブに入ることも出来ません。このように一心不乱に勉強した人たちが、裁判官、検事や弁護士として育ち、また議員や知事、大統領として、アメリカ社会の法の支配を支えているといってよいでしょう。

大学をレジャーランドといった著名な評論家がいます。学問に関心を持たず、単位をとるためだけに、仕方なく試験勉強をします。従って、このような考え方では、本当の学問は身に付くはずがありません。大学には、何のために入学したのか、その目的がはっきりしない学生がかなり多く見られます。結局2年間ないし4年間在籍しても人生の目的が見つからないことになります。しかし、私は、世間でよく言われるように、昔の学生は良かったとは、決して思っていません。

昔の学生に比べると、逆に現代の学生のほうが様々な知識を身に付けており、その博識たるや大変なものです。彼らに足りないものは学問に対する本当の喜びであり、情熱だと思います。学問で新たな発見や感動をして下さい。新たな世界が開けます。今、目の前にある学問が嫌いだという学生は、卒業しても就職しても、目の前の仕事を好きになるとは思えません。目の前にある学問や勉強から逃げない。しっかりと地に足が着いた学問をする。そういう学生を私は育てたいと思います。知識はあるのですから、後は情熱の問題だと思います。私は、先生方に、先生方のお持ちになっている学問に対する情熱の一部でよいから、それを学生に与えていただきたいと念願しております。学生諸君が本当に悔いのない学生生活を送れたと言えるような大学を作っていきたいと考えています。


理事長 小泉健

 
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